単なるデジカメとしてX halfが欲しい
今はOM-5を使っていて、主な被写体はうちの子供なんだけど、このあいだ発表されたフジのX halfが、「単なるデジカメとして」すごく欲しい。
撮影体験とか、レトロとか、デジタルとアナログとか、そういうポエム一切抜きで、X halfを褒めたい。
x-halfの、良さそうな点
小さくて軽い
240gですって。これは軽い。
やっぱり小さい子供がいると、どこに出掛けるにしてもカメラはあくまで脇役なわけで、1kgも2kgもあるようなカメラをぶら下げて歩くのはありえない。
世の中にはニコンZ50とかOM-5とか(どっちも実際に使ったことがある、良いカメラ)を小型軽量などと言う人がいるけれど、レンズ込みで500gを越えるようなカメラは、けっこうズッシリと重いです。
絞りリングと露出補正ダイヤルがある
基本的に絞り優先AEばっかり使ってます。
子供は動き回る被写体なので、明るいところではなるべく絞って被写界深度を確保、暗めの場所なら開いてシャッタースピードを確保。
あとは背景とかよりもとにかく子供の顔がよく見える明るさに露出補正。
なので絞りと露出補正だけはダイヤルでパパッと操作したい。
だからダイヤルが2個以上ついてるカメラっていうのはマストで、基本的には前ダイヤルが絞り、後ろダイヤルを露出補正っていう設定にしてるんだけど、これけっこう間違うんだよね。絞りを変えたいのに露出補正をいじってしまったり、どっちに回せば明るくなるのか分からなくなったり。
なので絞りはボディのダイヤルじゃなくてレンズについる絞りリングっていうのがすごくありがたいし、どっちに回せばどうなるのか書いてある露出補正ダイヤルもとても良さそう。
1型センサー
センサーが小さいのは悪いことではなくて、ボケにくい=被写界深度が深い=ピントが外れにくいという、めちゃくちゃ大きいメリットがあるんです。
チョロチョロ走り回るうちの子供を、フルサイズの薄ーいピントで撮れる気がしないし。APS-Cでもまだ大きい。マイクロフォーサーズはだいぶちょうど良いけどね。
子供のシャッターチャンスって、表情が良い、ポーズが良い、っていう一瞬であって、そこにしっかりピントを合わせられるかの勝負なんで。多少ノイズがあるとか、階調がどうとか、ピントに比べたらぜんぜん些細な問題。ましてやボケなんてどうでもいいから。
縦長センサー
これがやばい。
撮った写真を主に何で見るかって、iPhoneで見るんだから、写真は縦長で撮った方がいいに決まってる。でもカメラを縦に構えるのは面倒だし持ちにくいので、横に構えて縦に撮れるのが良いに決まってる。
これはもう、そろそろ誰かがやらなきゃいけなかったと思う。カメラ業界はすべからく、この方向に行かなきゃいけないとおもう。
そしてこれを「ハーフ」と言い張ってパッケージングしたフジの狡猾さよ。
よくよく考えてみればセンサーの半分だけ使ってるわけではないので、ハーフでも何でもない。これは単なる縦型センサーカメラだ。
これを例えばOMが、PENなんていう名前で出してきたら、歴史と思想に裏打ちされたプロダクトって感じがするんだけど、フジってそんなにハーフサイズカメラに力入れてたの? ぼくが知らないだけかもしれないけど。なんか上手いこと写ルンですのイメージとゴッチャにして、かつてフジこそがハーフサイズカメラの旗手であったみたいな感じで出してきてるの、本当に商売上手だよな。
センサーだけ見ればキヤノンが既に似たようなこと(1型センサーで縦に構えて横構図)やってて、PowerShot V10だもん。キャッチーさが違いすぎる。
換算32mmの単焦点レンズ
これは個人的な好みでもあるんだけど、35mmくらいの単焦点レンズがあればいい。
くどいようだけどシャッターチャンスは一瞬なんで、ズームとかやってる暇が無いんすよね。
超望遠とかならともかく、標準域でズームをする意味もあんまり感じない。そこまで画角に変化ないから、後でトリミングすればじゅうぶん追いつく。
50mmだと、狭くて写りきらないという場面は割と多くて、付けっぱなしにはできない。28mmだと基本的に広すぎるし「広角ですよ」っていうアピールが匂ってきてうるさい。
やっぱり35mmがドンピシャというケースが多いけど、ちょっと広すぎることもままある。でも、広めに撮って、後でトリミングすりゃいいんです。どうせ1千万画素も2千万画素もあるんだから、トリミングはいくらでも出来る。
別に編集ソフトとかもいらない、iPhoneで写真見ながら、ちょっと切り取りたいなと思ったら写真アプリでトリミングすればいい。
開放F値が2.8っていうのも、品があっていいですね。なんかもう、fF1.4とかF1.2とかのバケモノみたいなレンズは、ちょっと欲張りすぎてて下品な感じがしちゃうんですわ。
この世で一番美しいスペックのレンズは、エルマー3.5cm F3.5 です。
レンズがにょーんと伸びない
コンデジとか、パンケーキズームレンズの、にょーんと伸びる動作が生理的にどうもダメ。
電源ONから撮り始められるまでワンテンポある感じも好きじゃないし、ゴミが入りやすいという実害もあるらしい。リコーGRを買わない理由のひとつ。(もう買おう! と思ったことは何度もある。たぶん良いカメラです)
同じ沈胴式という名前でも、バルナックライカのエルマーとかローライ35みたいなのは美しいと思うんだけど。(沈胴ズミクロンは沈胴する幅が小さすぎて、それ意味あるか? と思う)
レンズが細い
ミラーレスカメラは総じてレンズの径が太すぎる。
クラシックデザインなニコンZfcとかOM-3とか、レンズの太さが惜しすぎる。(ところでOM-3って、そんな大騒ぎするようなデザインか? グリップのないOM-5としか見えないし、であればほぼ同じデザインのOM-D EM5が10年以上前から存在してる)
M型ライカにエルマーやズミクロンくらいのバランスが、やっぱ一番かっこいいと思う。
フジのX100シリーズはその点いいバランスに見えるけど、実はボディの方が思ったよりデカい。(そんなこと言うならM型ライカだってデカい)
X-halfの、そこまで悪くなさそうな点
素通しファインダー
EVFをまったく使わないわけじゃないんだけど、それをやるくらいなら、もっと小さく軽くしてくれ、明るい屋外で液晶が見えにくいようなら外付けの素通しファインダー付けるから、くらいのスタンスなので、このファインダーで良いです。
ちゃんとしたファインダー搭載機って背面がフラットじゃなくて、アイカップが思いのほか出っ張ってるんすよね。だからたすき掛けににしたり、首からぶら下げたりすると、その出っ張りが体に当たって痛い。
その点X halfのファインダーはOリングみたいなのが申し訳程度に付いてるだけなので、邪魔にならなくて良さそう。
RAWで撮れない
子供撮ってると、どんどん写真は増えていくし、RAWを現像するような暇は無いので、JPGオンリーで何ら問題はないです。
プラスチックボディ
高級感だの、モノとしての所有感うんぬんとか、どうでもよくて、そんなことより軽さが正義。
バルナックライカとかローライ35とかって見た目の割に重いんだよね鉄だから。
固定液晶
子供撮るなら、チルトもバリアングルもいらないです。無理な姿勢で構えて、カパッと液晶を開いて構図決めてるような暇ないから。
すっきりフラットで軽快な固定液晶がベスト。
X half の、どうでもいい点
巻き上げレバー
フィルムカメラモード
2in1
ライトリーク、期限切れフィルム など
まとめ
レトロで新しい撮影体験うんぬんみたいなの関係なく、単なるデジカメとしてX half欲しい。