ある程度の微粉があった方が、美味しいコーヒーになる。

コーヒー

海外のコーヒーWEBメディア Coffee Navigared by Taste で、「コーヒー豆を挽いた際に出る微粉をどう扱えば、おいしいコーヒーになるのか」に関する検証記事を見つけました。

元記事はこちら。

The taste of fines in coffee grind - Coffee Navigated
The smallest particles in coffee grind are called "fines". The location of the fines plays an important role for the taste.

 

おおざっぱに「微粉は雑味の原因になるから、少ない方がいい」というのが一般的な認識かと思いますが、当該記事では、むしろある程度の微粉が混ざっていた方が良い味わいになるという結論が出ていて、ちょっと意外です。

 

では、ざっくり要約と、それに対する感想を書いてみます。

記事要約

コーヒーを挽いた粉をマイクロスコープで見てみる

引用元:Coffee Navigated by Taste

挽いた粒のまわりに、微粉がまとわりついているのが分かる。また、微粉だけが集まってできた塊も存在する。

微粉が単体で存在しているものはあまり多くなく、周囲の粒や微粉に静電気でくっついている。

目に見える微粉を取り除いてテイスティングしてみる

コーヒーを挽いたものから、目に見える微粉を以下の方法で取り除いて、テイスティングしてみた。

  • 挽いた後にグラインダーを叩いたり揺すったりせず、グラインダーに付着している微粉がドリップ用の粉に落ちないようにした
  • 粉受けのコンテナのふちに付着している微粉を取り除いた

その結果、微粉を取り除かなかった場合よりも、美味しくなった。

粒子の大きさでふるいにかけて比較してみる

KRUVE Sifterというふるいを使用し、粒子を大きさ別のグループに分けて、味を比較してみた。

参考:KRUVE Sifterはこれ↓

①.ふるいに掛けなかったもの

引用元:Coffee Navigated by Taste

4つのなかでベストのテイスト。ボディが良く、強すぎない程よい酸味。いかにもコーヒーらしい香り。

②1100μm~400μm。大きすぎる粒や微粉を取り除いたもの。

引用元:Coffee Navigated by Taste

クリアだが酸味が強く、やせて乾いた味。若干の良くない後味

③1100μm以上の粒。

引用元:Coffee Navigated by Taste

クリアでやせて酸味が強い。しかし、さらに冷ますと酸味はなくなる。

④400μm以下の微粉

引用元:Coffee Navigated by Taste

苦味と、さらに何らかの味が抽出されている(おいしくはない)

 

ということで、大きすぎる粒や微粉を取り除かない方が美味しいという結果に。
これを受けてさらに、下記の検証も実施。

⑤上記②〜④を再び混ぜ合わせたもの

シャープでピリッとした味で、普通に挽いたときのような心地よいアロマが感じられなかった。

⑥ ④を先にドリッパーに投入し、上から②を入れたもの

シャープな味で苦味がある。酸味が強く、ボディとアロマは弱い。

 

以上から、微粉がより大きい粒と混ざり合っている状態で、良い抽出結果が得られることが分かる。

濡らした状態の粉をマイクロスコープで観察してみる

濡れている状態では、①と②の違いは目で見ても分かりにくくなった。

しかし④を見た場合には顕著な特徴があった。それは独立した粒ではなく、ゲル状に溶け合っているように見えた。

引用元:Coffee Navigated by Taste

実験者の考察

1.少量のお湯を注いで30秒ほど待つ、「蒸らし」の時間で、微粉や粒がクラゲの体のように一体化する。これが美味しいコーヒーのポイントなのかもしれない。

2.抽出の最終段階でドリッパーを揺すったりすると、過抽出になる恐れがある。

お湯を注いでいる間は、粉や微粉はお湯の中を遊泳していて、お湯を注ぐのを止めるとそれらは静止して沈殿していく。ラオ・スピン(訳者注:バリスタ スコット・ラオ氏による、抽出終盤にドリッパー全体をゆする技)のようにコーヒーを揺すると、微粉と粉粒との結合が解けてしまい、過抽出になってしまう恐れがある。

3.カッピングを行う際にも、カップを強く揺すって沈殿したグラインドの結合を解いてしまうと、過抽出になってしまう危険があるので注意が必要だ。

4.微粉が、好ましくない過抽出の原因になってしまうのは、結合せずにそれぞれ独立した状態にある場合のみかもしれない。一つに溶け合った微粉が雑味を生むのかどうかは、さらによく検証してみる必要がある。

5.細かく挽きすぎるとエスプレッソが詰まってしまうのは、微粉が一つに溶け合ってしまうのが原因ではないだろうか。

 

所感

ごちゃごちゃ言ってますが簡潔に結論を言うと「目に見える微粉は取り除いた方がいいが、ふるいにまで掛ける必要はない」ということですね。

これは結構体感的にもシックリくる結論です。

 

「抽出前半は酸味や旨みが、後半に行くほど苦味やエグ味が出てくる」「粒が小さいほど苦味・エグ味が出てくるのが早いので、微粉は雑味の元になる」というのは割と一般的な共通認識だと思います。

しかし体感から言うと、ドリップ後半の抽出液を単体で飲んでも美味しくはないですが、それをすっかりお湯に入れ替えてしまうと、これまたバランスの良くない味わいになってしまうと感じています。

ある程度の「雑味」があった方がコーヒーらしい味わいになるのかなと、この記事を読んで腑に落ちました。

 

それと、ちょっと触れられていたスコット・ラオ氏のドリップは、動画を見る限りお湯が多すぎてシャバシャバで、個人的には見るからに美味しくなさそうなのですが、どういう思想によるものなんでしょう。

動画でしゃべっていることをちゃんと聞き取って、氏のブログを読んでみるなりして、この点に関しても探ってみたいです。

 

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