ラズパイオーディオの入門記事です。
この記事では、音質向上が狙えるI2S DACボードの導入方法について書きます。
I2S DACとは
DACとは Digital Analog Converter の略で、USBケーブル等によるデジタル入力をアナログの音声データに変換する機構です。
CDプレーヤー等に内蔵されている他、ipodやPCにも内蔵されています。
しかしPCや携帯音楽プレイヤーに内蔵されているDACはあまり性能が良くないため、USB等でデジタルデータを出力して、外部のオーディオ機器のDACで変換した方が良い音質を得られる訳ですね。
さてラズパイからも外部のDACにデータを出力するわけですが、ラズパイはUSBやHDMI以外にも、I2Sという規格でデジタル信号を出力することができます。
出力は、このGPIO端子から行います。
それでこのI2Sというのは、IC上でデジタルデータをやり取りする規格なのですが、 ノイズの影響を受けやすいため、外部の機器と接続する場合には、USBなど別の規格に変換する必要があります。
逆にUSB-DAC等の機器内で、入出力端子とDACチップ間でデータの受け渡しをする際には、I2S規格に変換されます。
したがってDACへ音楽データをI2S規格で直接受け渡すことができれば、データの変換回数が少なくなるため、よりノイズのない再生が実現できるということらしいです。
I2S DACを購入する
DACボードはさまざまなメーカーから出ていて、価格的にも幅があります。
こちらのブログにけっこう網羅的な一覧がありました。
PCM5122またはES9023というDACチップが定番のようで、そのチップ自体は3,000円くらいの安価な製品にも載っていますが、それ以外の部品や回路の設計の部分で価格差が出てくるようです。
私はこのへんは専門外なのでまったく分かりません。
分からないなりに選び方のポイントを挙げるとすれば、電子工作等のスキルがない人は、GPIOピンのソケットやRCA等の音声出力端子が付いているものを選びましょう。
ソケットが付いているものであれば、ハンダ付け無しでラズパイに取り付ける事ができます。
また、ラズパイと重ねたときにちょうど収まるようなケースとセットで販売しているものもあります。
現状amazonだとケースがあってもなくても同じような価格になってます。
私はこちらのセットを買いました。
amazonの写真では青い基盤でしたが、実際には黒い基盤のものが届きました。
DACボードの取付け
それでは実際にDACを取り付けてみましょう。
と言っても、GPIOピンにソケットを差し込むだけです。
四隅の穴にネジを通してスペーサーを入れることも出来るのですが、DACだけなら無くても良さそうです。
付属のケースに入れると、こうなります。
組み上がったら、ケーブル類をつないで電源を入れて、出力デバイスの設定をします。
volumioの右上の歯車マークからプレイバックオプションを選んでください。
I2S DAC を YES にして、自分のDACのモデルを選んでください。
この一覧にないモデルの場合は、販売ページや説明書に「この設定にしてください」みたいな説明書きがあるはずです。
音質改善効果は?
以上で導入は完了です。
では肝心の音質改善効果はどうだったのかと言うと、確かに良くなりました。ただし驚くほどの変化ではない。というのが私の感想です。
音の分離・解像感という意味ではラズパイからUSB接続でも充分に感じていたので、そこまでの変化は感じませんでした。
しかしベースの音に「粒立っている」という以上のこまやかなニュアンスが出てきた(ような気がする)、ドラムの音が生々しく聴こえるようになった(気がする)、弦の質感がよりリアルになった(気がする)、といった感じで、より質感が豊かになった印象はあります。
これはI2S接続の力なのか、それとも我が家の中華アンプ内臓のDACとラズパイ用中華DACボードの実力差なのか、そこはちょっと分かりません。
DACチップを通ってアナログに変換された後は、回路の設計なんかも音質を大きく左右するらしいので、3,000円の中華製ジェネリックDACじゃなくて、もうちょっと高いやつを買ったらどうだったんだろうという思いは尽きません(笑)
このへんの製品なんか見ると、私のDACボードよりも明らかにパーツがみっしり載っていて、明らかに強そうです(笑)
以上、DACボードの導入方法でした。