こんにちは。主夫です。
ちょいと機会がありまして、日本オリーブオイルテイスター協会代表理事の長友姫世さんのセミナーを受講してきました。
そこでオリーブオイルのテイスティングをさせて頂き、私のバカ舌が判明したお話です。
4種類のオリーブオイルをテイスティングしました。
かりにA,B,C,Dとして、それぞれに対する私の感想は、以下の通り。
A:草みたいなニオイ。苦い。辛い。
B:草みたいなニオイ。苦い。辛い。
C:草みたいなニオイ。苦い。辛い。
D:まろやかで優しい味わい! いつも使ってるエクストラバージンの味だ!
もちろん私がいちばん気に入ったのはD。
ではそれぞれ、どんな素性のオイルなのでしょうか。答え合わせです。
A〜Cはイタリアやスペイン産の単一品種のエクストラバージン。
そしてDは、
欠陥オイルだそうです。
輸送時に身が潰れてしまった特徴が出ており、また搾った後の保存状態も悪く、オリーブオイルにあってはならない味がするそうです。
そもそも、良いオリーブオイルは苦くて辛いらしい
まだ赤くならない、緑色のオリーブの実ほど、風味の成分であるポリフェノールの含有量が多いそうです。苦みや辛味というのはこのポリフェノールによるものだそうです。
オイル単体で飲むにはちょっとしんどいですけれど、うまいこと食材と合わせて料理すると、辛味や苦みはそれほど気にならなくなり、食材の旨味を引き立ててくれるそうです。
反対に、赤く黒く熟したオリーブの実からは、取れる油の量は多いものの、品質的には劣るらしいです。
味の素の「エクストラバージン」のパッケージには、おいしそうに熟した実が描いてありますけどね・・・
メーカーは「どうせ分からねえだろう」と思ってやっているんでしょうか。それとも、実際にこのくらい熟した実を使っているから正直に描いているんでしょうか。
日本のエキストラバージンは、名ばかりらしい
しかしひとつ疑問があります。
私はけっこう浮気性なので、スーパーで売ってる様々なメーカーのオリーブオイルを試したことがあります。「エキストラバージン」も、たまに買います。
でも今まで、辛くて苦いオリーブオイルなんて、出会ったことはありません。
日本は「IOC」に加盟していない
「IOC」とは「インターナショナル・オリーブ・カウンシル」の略で、オリーブオイルの品質基準を定めたり、オリーブ業界発展に向けた活動を行う、政府間機関です。
「エキストラバージン」というのも、もともとはIOCが定めた枠組みなのですが、日本はこのIOCに加盟していないため、この基準から外れたものも、勝手に「エキストラバージン」と名乗れるようになってしまっているのです。
IOCの規格では、物理的に絞っただけの油が「食用に適するバージン・オリーブオイル」で、そのなかでも一定の基準を満たすものが「エキストラバージン」となります。
※参照:IOCのキャンペーンサイト
しかし、どうやら日本国内では上記「食用に適するバージン・オリーブオイル」全体を、「エキストラバージン」と呼ぶところが多いようです。※参照:Olive Oil Life
じゃあ、エキストラバージン以外は何なの? 食用に適さないの?
という点に関しては、こっちの記事で書きました。
とりあえず、私が今まで使ったことのある「エキストラバージン」は、「エキストラバージン」では無かった、ということは間違いなさそうです。
帰りに成城石井で買ってきたのは本物っぽい
くやしいので、帰りに成城石井でスペイン産のそれっぽいやつを買ってみました。
「オレオエステパ」という銘柄です。
229gで700円でした。
味見してみたところ、確かに草っぽくて、苦くて、辛いです。 これは本物っぽいです。
後日、料理に使ってみたところ、なんとも言えない良い仕上がりになりました。
単体で味わうのはしんどい苦さなんですが、食材と合わせると途端に良い風味に感じられます。サラダにかけても良し、茹でたてのパスタにも良し、焼いたパンを浸しても良し。
加熱しすぎると確かに香りが飛んでしまいますが、では飛んだ香りはどこに行くのかと言うとキッチンに漂っているわけで、料理中の幸福感が半端ないです。
これはこれで良い気がします(笑)
もう日本の大手メーカーのオリーブオイルには戻れなくなりました。あれはただの味の無い油です。
良いオリーブオイルの選び方
上記の「オレオエステパ」以外にも、様々なオリーブオイルを試してみましたが、とりあえずスペイン・イタリア・ギリシャあたりの、ちょっとお高めのを選んでおけば間違いないです。
まとめ
良いオリーブオイルは草っぽくて苦くて辛い。
日本で流通しているエキストラバージンは名ばかりが多いですよ。